日本ゲシュタルト療法研究所

〜Gestalt Institute of Japan Since 1978〜

2014年高野山ワークショップ参加者の感想

 2014年 高野山ワークショップ参加者の皆様の感想です。

・今回、ゲシュタルト療法を体験的に理解したいと思い伺いました。
 ワークをやる中で、自分自身の気持ちを選べたというのもよかったです。
 他の人のワークを拝見する中で、僕自身が居合わせられたというか、 その方が今のワークはどう感じて、
 どう流れて、どう終わって行くんだろうっていうのが、ものすごく気になる、
 それに、こう言うと恐縮なんですけど、ワクワクしながら、生き生きとその場を楽しんでいる自分がいるということを
 発見しました。

・私は自分の心と身体と向き合いたい。
 来た時すごい疲れていたんですけど、恵まれた体験やワークを重ねていく中で、
 今までの生き方はこういうことの積み重ねでこうなっていたんやなっていうことが分かって、
 新しい一歩が踏み出せるなというのがあります。

・初めてここに参加させていただいて、ワークの中では、本当に短い時間の中でも、気づきがあったりと、
 とても勉強になりました。ありがとうございました。

・ワークを経験させていただいたのですが、私の経験が、誰かの経験であったり、
 誰かの経験が私の心の中の何かの経験に反応していきながら、
 ワークする人の魂の純粋さを見せていただいたような、そんなすがすがしい思いです。

・今回は最初に1回ワークをしていただいて、自分ではこれで終わりかと思っていたんですけど、
 最後にもワークをしていただきまして、とてもお得感があるなと思っています。

・自分という重みを感じて、それを背負って、帰っていくんだなと思っています。

・僕は気合を入れることを目標に、来たんですね。いい意味でというか、ほんとに元気になれたんですね。
 車でいうとハイオクを満タンにした状態。

・もっと居心地がよくいれる方向に向かって行けるヒントになればいいなと思って、参加をさせていただきました。
 ここで動いているうちに、取りに行く方向のことを意識してたんだなと思って、
 今いるところの、頭にないものが、ワークの中では出てきて、
 そこをちゃんと納めないと、その次には行けないんだなという体験をさせていただきました。
 すごく感謝しています。

・今回あらためて、グループワークってすばらしいなという体験をさせていただきました。
 その中で、自分の中で何か湧きあがってくるとか、身体が自然に動いて、
 それが何かはまだ分かっていないんですけど、自分の中で、すごく大きな何かが、出たんじゃないかな。
 そういう経験をしました。

・ここに来るまで、お腹が気持ち悪い感じがずっとしてたんですけど、
 ワークをしている間に感じなくなってきているんですね。
 僕らはSVのコースが今回からスタートする。
 ものすごい自分で、意識してた自分っていうのに気づいて、何か動き始めた自分、やっぱり動くまですごいしんどい、 
 動き始めたらそこからは行ける、そんな感じで今、います。
 これから大変やと思いますけど。ありがとうございました。

・とにかく体験をしたいと思って、参加をしまして、自分の境界を取り戻すっていうのをすごくワークの中でやって、
 それをすると自分の中でエネルギーがまた出てくるんだなっていう体験ができて、とてもよかったです。

・ワークの最初にですね、頭を使わずに、今回過ごすっていうことを目標にしたんですけれども、
 ワークがはじまっても、頭を使ってました。
 仕事の癖というか、普段の生活の癖がなかなか抜けなかったんですけど。最終的に少し、気持ちとか、感情を出せる、
 体験ができてですね。結構すっきりしたなっていう感じがあります。

・今回参加する目的が、倉戸先生に会いたいというそれだけで、21年ぶりに、ここに来て、
 セッションなんかもエネルギーを感じよう、その人から出てくるエネルギーを感じようって、心が動くときとか、
 ほんとに何か生きてるんだなというのをすごく感じました。
 21年ぶりに来るここも全然違和感がない。たましいって年取らないんだなと思いました。

・ワークショップを終えて2つの気づきが起きてきまして、一つは、今まで自分のペースでやってきて、
 あぁ、自分のペースでしかできないんだ、これからも自分のペースでやればいいかなって、思えたということと、
 それから、ワークに入った時にみんなのおかげで安心感という言葉が出てきて、
 あぁ、それで毎回毎回、ものすごい緊張してたんですけど、今回何でこんなにリラックスしてんのかなって、
 安心感なんだって思えて、自分が自分に、以前よりも安心し始めてるんだなって、この2点です。

・自分の中でごちゃごちゃごちゃごちゃ考えてたんですが、自分がワークを体験して、
 いろんな方のワークを見て、ごちゃごちゃ考えてるより出してみたらいいなっていう体験をしました。

・小さいころからずっと成長ですけど、今は、ワークショップが自分の成長の場で、他の日常の生活の場にはない場で、
 こういう場所があってよかったなと思いました。終わりの見えない変化で。成長していくっていうことは
 きれいなことばっかりではなくて、おいしいスープ取る時に灰汁を取るみたいに、自分から出てきたものが、
 灰汁もあるし、おいしいスープもある。いつまでもそういう作業をしないといけないんだなって思いました。

・高野山は、日常離れて非日常という位置づけだったのが、
 今は、日常の中の非日常、っていう位置づけに今はなっているなと思いました。

・気持ちを定めることがないままに来ました。でも気持ちを定めることができました。
 それと同時に、たくさんの課題を背負いました。私なりにやれることをやらなしゃあないかなと思いました。

・僕は、ワークを通して、もうちょっと自分の気持ちに正直になったりとか、
 うまいこと、やり方を間違えながらも、満足いくよう自分で動いていくいこうかなと思えるようになりました。

・スーパーヴィジョングループというのが始まって、このグループに8年ぐらいいるかなと思うんですけど、
 節目節目で、始まったなという感じがある。
 今回、始まったなという手ごたえと、私もスッキリして帰るというよりは、背負って帰るという感じがしています。

・またこんなふうにしたらいいんじゃないかなというきっかけとなる経験もできたので、よかったなと思います。

・もっとこれからも自分に自信を持って、行けるようになっていけたらいいなと思います。

・私は、今回存在をかけるとか、自分の中のそういう思いにふれたように思っていて。
 それは重みがすごくあるんですけど、挑戦してみたいなという思いが今湧いています。


 

| 日本ゲシュタルト療法研究所 | 体験者の感想 | 20:11 | - | - | pookmark |
高野山ワークショップ 参加者の感想 2
 高野山ワークショップ参加者の皆様の感想です。

・体験したい、学びたいということでした。声を出してみることは勇気のいることでした
が、
  出してみて良かったと思う。目的は達成した。
 

・問題の糸口を掴めたらいいと思ってきましたが、以外に、むき身にされ、あばかれ、

  理屈ばかりで生きてきたことがよくわかりました。満足して帰ることができます。

 うれしいです。

・本来なら、最後はさみしいかんじでおわっていくのですが、このまま続いていくんだなという気持ちです。

  涙をたくさんながして、しゃべって、こんなに怒りがあるのかというぐらい怒ってみた。

 するとすっきりして、このまま日常に帰れたらいいなと思っています。

・心の醜さと美しさをみた。命の終わるまで、丁寧に生きたいなと思いました。

 

・先輩にいわれてきたのですが、なるほどと今は思えて、先輩にも、分かったよと言える。

・納得いく答えを探してここにきたのですが、予想以上の結果が得られた。

  僕が声を出せば、ナイトセッションでは、みんなが笑ってくれた。

 自分の声に自信が持てるようになった。満足して帰れます。

・思っていることを口に出すのは勇気がいることなのですが、やれた、体験できたのが大きい。

 他のワークに同席していて、得るものがあった。満足です。

・去年に引き続き参加して、今年もよかった。

・課題を持ってくるというより感じることをしたいと思ってきた。

 グループの人の話を聞いて、感じることができたと思っている。

 ここを離れるのが惜しい感じがする。

倉戸に申し込んだが、入れなくて、残念だったが、他のグループでよかった。

   体験学習を通して、からだが軽くなったから。

・参加したのはゲシュタルトを学びたいということだったが、参加して、体験をして、

 学ぶ以上のものを、大きな想像を超えて、得るものがあった。

・いま皆さんのおかげで満たされた気持ちで帰ることができる。ありがとうございました。

・はじめて参加したが、Kのここまできましたねという言葉にどきっとしていた。

 まだこれからだという気持ちになった。


・途中でいやになり、帰ろうかと思った。ちょっと違ったので。
 しかし、自分はがんこなので、言いたいことを出した。それがよかった。
 最後まで居れた。
| 日本ゲシュタルト療法研究所 | 体験者の感想 | 19:00 | - | - | pookmark |
高野山ワークショップ参加者の感想 1
Aさん
私は揺れていて、ずっと泣いていて、感動しつづけでうれしかったです。
ありがとうございました。

Bさん今こうやってみなさんの顔をみていると、熱くなってきて、
いろんなことを経験したとお伝えしようと思っていたのですけど、
胸がいっぱいで、いろんな思いがこみ上げてきて、
なんか言いたいんですけど…
今はありがとうございましたと一言だけお伝えしたいです。

Cさん私は初めてだったんですけど、最初の2日間は不安でいっぱいでした。自分のワークに入るまで。体が動き始めていて、だんだん喋れるようになって、今では喋り過ぎのような感じです。

Dさん
すごくいい体験をさせていただいて、感謝しています。

Eさん
5年目なのですが、一つの節目に来たなと感じます。
ここまでよく来れたなと思います。
ことばというより肌でそう感じます。

Fさん
泣くことができ、声にすることができ、水が流れ出した感じです。
新たな流れになっていくのかなと感じます。

Gさん
私はワーク中、背中を撫でてくれていた人に感謝したいです。

Hさん
毎年、全体会の部屋の階段を一つずつ上ろうとしてきましたが、
今年も一段上ることができたと思います。

Iさん
ほんの休憩のつもりで来たのですが
……思いがけなく大変いい経験をしました。

Jさん
初めて来たのですが、変わった人ばっかりかと思っていたのですが、
ふつうのなかで居れる感じで嬉しかったです。

Kさん
沢山の出会いが有りました。
その一つ一つがとても愛おしいです。

Lさん
参加費の元をとりました。

Mさん
自分に冷たい部分があることは知っていますが、ワークをしてみて、
ほんとは照れくさいからということが分かりました。
ほんとは全部が全部冷たくはないんだということに気づきました。
嬉しいです。

Nさん
「深くて、早くて、分かりやすく、現実的」
という印象を受けました。

Oさん
泣けて泣けて、止めどもなくなく泣けました。

Pさん
東京から参加しました。
噂を聞いてぜひ参加したいと思って、仕事を代わってもらって参加しました。
自分ではワークは出来なかったのですが、こころがうごかされ、充実した時間でした。
命の洗濯ができました。
来年は是非ワークしたいです。
| 日本ゲシュタルト療法研究所 | 体験者の感想 | 20:33 | - | - | pookmark |
高野山モード1
高山 のぞみ /(X年八月十六日)「關学文芸」第23号59-63より

X年四月に堺市の教会に赴任し、最寄の駅が南海高野線堺東になった。
「高野山がぐっと近くなったぞ」
プラットホームで、極楽橋行きの赤い特急を見るたびに思ったものだった。

「別冊関学文芸」十七号に「こころの旅」というエッセイを寄稿したが、
今年の八月に三年ぶりにゲシュタルト療法のワークショップに参加することができた。
このワークショップには、もう七〜八回参加しているが、
高野山会場での参加は四回目くらいになる。
ずっと西宮の家から行っていたので、
今回は「高野山が近くなったな」と感じた次第である。

三泊四日のプログラムで、いつも間に日曜が入る。
今の教会に就任して一年半になるが、日曜日に教会を空けるのは初めてである。
二ヶ月も前から教会の役員会で
「ぜひ、このワークショップに参加したいので、留守をさせて下さい」
とお願いし、その日の説教を後輩の神学生に頼み、
庭の水やりや郵便物のチェックなどを教会員に担当してもらう態勢を整え、
その日に備えた。
前述したようにこのワークショップにはもう何度も参加しているが、
今回ほど待ち遠しいと思ったことはなかった。



画像



牧師だって夏や冬には休暇を取って休むのが当たり前と私は思っていたが、
この教会はそうではなかった。
前任牧師が病気以外で日曜に休むということをされなかったしその上、
全くキリスト教とは関係のない会合の参加なので私なりにかなり気を使った。
何回か教会の週報にこのことを予告し、信徒に心の準備をしてもらうようにした。

極楽橋からケーブルに乗り換えるあたりから、
私のからだが徐々に高野山モードに切り替わっていく。
早く行きたい、楽しみだとずっと思っていたが、
バスが会場の普賢院(ふげんいん)に近付いたあたりから、
肩の凝りや足のだるさを感じるようになる。

二時からの開会だが会場には二時間も前に着き、宿泊する部屋に入って独り、
買ってきたのり巻きを食べ、
オリエンテーション会場である大広間に移動して
ごろりと横になったりしながら皆の到着するのを待った。
涼しい、ずっとここにいたい、下界は暑いやろなあ・・・・・・。

(高野山モード2へ続く)

| 日本ゲシュタルト療法研究所 | 体験者の感想 | 20:45 | - | - | pookmark |
高野山モード2
三年前に参加して以来、いろんなことがあった。
パートナーへの裏切り、堺への転居、生まれて初めての牧師館暮らし、
大きな会堂を有する教会の責任を持ち、
教会のみならず日本キリスト教団大阪教区や南海地区で
たくさんの新たな出会いを経験し・・・・・・。
高野山モードに切り替わっているはずの私の頭の中をかけめぐっているのは、
私が所属する現実の世界だった。

やがてエレベーターから、参加者が次々に降りてきた。
懐かしい顔、初めての顔、不安そうな表情や緊張した面持ち、
親しい人に会って嬉しそうな顔・・・・・・。  

オリエンテーションやからだほぐしのプログラムの後、
自分で選んだグループに分かれる。
グループ・セラピーのことをセッションという。
全体会でもセッションでも「私の職業は・・・家族は・・・」
といった自己紹介は一切行われない。  
私が入ったグループは、十二人でセラピストが二人だった。
初めて参加する人が何人かいて、
一人一人自分の思いや期待してきたことを述べる時間に、
「これから何が起こるのか不安です」とか
「緊張しています」と言う人が多かったように思う。

二日目の朝のセッションで私は、自分の問題を出した。
このことを「ワークする」と言う。
四日間を通してワークする人もしない人もいる。
すべて各自が選択するのである。
「選択」は、ゲシュタルトでは重要な概念である。
私が下の世界の課題として持ったきたことを話し出すと、
セラピストが適切に相槌を打ってくれる。  

その日は日曜日、腕時計を見ると十時だった。
「今、時計が気になります。
今頃、信徒は鍵を開けてくれているだろうか、開けたらむうっとして暑いやろなあ。
私はこんな涼しい所に来させてもらっているのに・・・・・・。」  
教会に赴任して一年半のことを話す。
がむしゃらに突っ走ってきた自分がいる。

信徒は高齢者が多く、人数は少ない。
人前でお祈りをしたり、自分の意見を述べることに慣れていない人が多い。
私がお祈りの例文を作って、皆でお祈りの練習をしたこともあった。
賛美歌を歌う声が小さいので、声楽の専門家でもない私が声を出す「指導」もした。
説教ではよく通る声で、分かり易く、横文字は極力使わないで語るよう心がけた。
礼拝当番を決めて、初めて教会に来た人に聖書や賛美歌のことを教える態勢も作った。


掃除道具のある場所を知っているのは、限られた信徒だけなので、礼拝後に出席者全員で掃除をすることにして、教会のどこに何があるかを覚えてもらうようにした。
地区の集会には行ったことがない人がほとんどなので、
できるだけ外の世界に信徒を連れ出し、新しい空気に触れてもらう努力もした。
その他枚挙にいとまがないが、
教会の現状を整えることに随分エネルギーを使ったように思う。

でも何かが足りないのでは、何かが・・・・・・。

(高野山モード3へ続く)

| 日本ゲシュタルト療法研究所 | 体験者の感想 | 20:47 | - | - | pookmark |
高野山モード3
高齢の信徒の話をじっくりと聴くことを忘れていたのではないか、信徒を訪問することを怠っていたのではないか、信徒数を増やすことはどうだったか。
 一生懸命やっている自分、何かが足りないと感じている自分、いろんな自分が目の前に浮かぶ。

私が赴任した時、信徒の平均年齢は七十歳で、前任牧師は八十歳で辞任して隠退された。
みんなが私に期待している。
後任牧師の招聘は無理ではないかと半ばあきらめていたが、「若い先生」が来てくれた。
謝儀は少ししか出せないのに、牧師が与えられた。
私の就任をみんなが喜んでくれている、みんなが私に期待している。
話している内に、徐々に私の肩に重荷がのしかかってきた。

みんなが私に期待している。  みんなが私に・・・・・・。  
自分が想像していた以上に、プレッシャーを感じている自分が見えてきた。

画像

セラピストが私の前に赤い大きなクッションを置いた。
ホットシートと言う。「もう一人のあなたがここにいます。何か言ってあげてみませんか」
私が第三者となって、クッションの「のぞみ」に語りかける。

「のぞみ、あんたこの一年半、一生懸命やってきたなあ。でもなんか忘れてへんか。おばあさんの話、じっくり聴いてあげたことあるやろか。信徒を訪問するのさぼってたんちゃうやろか」  

セラピストがクッションの脇から声をかける。
「そやけど、まだ一年半やで」  
私が続ける。

「のぞみ、あんたは前の先生と違って教区や地区の集会に出ていくのが大好きや。信徒は寂しかったんちゃうやろか」
セラピスト、 「まだ一年半やで。たった一年半や」  
赤いクッションを見詰めているが、メンバーが私に注目している気配を感じる。
私、 「・・・・・・」  

クッションを見詰めている内にいろんなことが目の前に立ち現れてくる。
役員会でみんなの意見を聞いている自分、チラリと私への批判めいたことが出ると緊張する自分、高齢者が多いので自分の個性を随分押さえている私、信徒とのジェネレーションギャップに戸惑っている自分・・・・・・。  

クッションに向って思い付くままに語っている間に、涙が出てきた。
メンバーがティッシュの箱を私の横にすべらせてくれる。  
誰かが鼻をすする音が聞こえる。部屋の空気がピンと張りつめている。

(高野山モード4へ続く)
| 日本ゲシュタルト療法研究所 | 体験者の感想 | 20:49 | - | - | pookmark |
高野山モード4

私、「そうやなあ。まだ一年半や。たった一年半で何もかもできるわけないわなあ。
神様やないんやから」
セラピストが大きく頷いた。
「うん!」  私、
「あせったらあかんな」 セラピスト、

「そうやな、何もかもでいっぺんにでけへんな。神様やないんやから」  
クッションをじっと見詰めている内にこんな言葉が出てきた。
思ってもみなかったことだった。

「そやけど、あんたてええ牧師やなあ。
ゲシュタルトに来る牧師なんて今まで一人も会うたことないわ。
あんたはいつでも自分を見詰めよう、見詰めようとしてる。
いつでも自分を吟味している。
自分が成長したら、必ず周囲の人も成長すると信じてる。
そやからなんべんも高野山へ来るんや」


部屋の空気がほっと緩んだのを感じた。
メンバー全員がグループの分かち合いをする時間になった。
一人一人が私に声をかけてくれた。その一人がこう言った。
「竹内さんの肩、下がってるわ。最初のしんどそうな竹内さんと全然違うわ」


約一時間で私のワークは終った。
グループのみんなが私にかかわってくれた。
私を見守ってくれた。
休憩時間に強く握手してくれた。
また涙が出た。


四日目の午前のセッションも終わりに近付いている。
いろんなことがあった。
あの人もこの人も来た時と全然、違う顔をしている。
いつもおりこうさんのようににこにこ笑っていた人が本気で怒った。
穏やかなほほ笑みを浮かべていた人が、自分の壮烈な人生をさらけ出した。
悲しいことがあった時、どうしても泣けなかった人が思い切り泣いた。
宿題を持ってきたが、また新たな宿題ができたと言った人もいた。
みんな生き生きしている。
もう言葉はいらない。  


グループを閉じる時、セラピストが言った。
「これから非現実の世界から、それぞれの現実の世界へ戻っていきます」
その時、私はハッとした。


「そうや、私には戻っていく所があるんや」


それをみんなの前で口に出した瞬間、涙が出て止まらなくなった。
それでも続けた。
「最初来た時、ずっと高野山にいたいと思った。
でも私には戻っていく所があるんや。
下界ですべきことが一杯あるんや。高野山にはまた来年来たらええやんか。」
グループのセッションが終わり、大広間の全体会の会場に移る時、
メンバーの人が私に言った。


「戻っていくところがあっていいわね。本当にいいね」
ケーブルが下り始めた時、
これからゆっくりゆっくり高野山モードを下界モードに切り替えていこうと思った。

足元の、教会の人へのおみやげが入ったカバンがカタリと音を立てた。
 

| 日本ゲシュタルト療法研究所 | 体験者の感想 | 20:52 | - | - | pookmark |
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